トリガー機能
トリガー機能を使用すると、モニタリング中にあらかじめ設定した下記の条件を検出した際に、ロギングを自動で開始/停止させることができます。
- 特定のログを検出した時(ログトリガー)
- 特定のキーを押下した時(キートリガー)
これにより、必要なタイミングに絞って効率的にログを保存できます。
トリガー機能の設定は「Trigger Window」で行えます。
トリガーモード
設定可能なトリガーモードとそれぞれの動作パターンは以下の通りです。
| トリガーモード | 動作内容 |
|---|---|
| Free Run | トリガー機能を無効にします。モニタリングの開始/停止に合わせてロギングを開始/停止します。 |
| Triggered | トリガー機能を有効にします。設定したトリガー条件を検出するとロギングを開始/停止します。 停止トリガーを一度でも検出すると、モニタリングも同時に停止します。 |
| ReTriggered | トリガー機能を有効にします。設定したトリガー条件を検出するとロギングを開始/停止します。 停止トリガーの検出が64回目に達す ると、モニタリングも同時に停止します。 |
ReTriggeredモードでは、開始トリガーと停止トリガーの両方を設定する必要があります。また、ログファイルは開始トリガーを検出する毎に作成します。
基本操作
ログトリガーの設定手順
1. Trigger Windowを開く
メニューやツールバーから「Trigger Window」を選択します。

2. トリガー機能を有効にする
「Trigger Mode」で、ラジオボタンの選択肢から「Triggerd」または「ReTriggerd」を選 択します。これによりトリガー機能が有効となり、以下の項目が設定可能になります。
- Start Log Trigger
- Stop Log Trigger
- Start Key Trigger
- Stop Key Trigger

上記の例では「Triggerd」を選択しています。
3. 開始ログトリガーまたは停止ログトリガーを有効にする
「Start Log trigger」または「Stop Log Trigger」のチェックボックスをONにします。これにより開始ログトリガーまたは停止ログトリガーが有効となります。

上記の例では、停止ログトリガーを有効にするため、「Stop Log Trigger」のチェックボックスをONにしています。
4. Trigger Settingダイアログを開く
手順3でチェックボックスをONにした枠内にある
ボタンをクリックするか、トリガー条件表示エリアをダブルクリックします。これにより、Trigger Settingダイアログが表示されます。

5. ログトリガー条件を設定する
Trigger Settingダイアログで、ログトリガー条件(プロトコル、チャンネル、送受信方向など)を設定します。

上記の例では、IDが2DHのレスポンスの受信を停止ログトリガーの条件に設定しています。
「Trigger Setting」ダイアログの詳細については「Trigger Settingダイアログ」を参照してください。
6. ログトリガー条件を登録する
Trigger Settingダイアログの
ボタンをクリックします。
これにより設定したログトリガー条件が登録され、「Trigger Window」のトリガー条件表示エリアに表示されます。


7. モニタリングを行う
モニタリングを開始すると、設定したトリガー条件の検出に合わせて、ロギングを開始または停止します。
Key Trigger設定手順
1. Trigger Windowを開く
メニューやツールバーから「Trigger Window」を選択します。

2. トリガー機能を有効にする
「Trigger Mode」で、ラジオボタンの選択肢から「Triggerd」または「ReTriggerd」を選択します。これによりトリガー機能が有効となり、以下の項目が設定可能になります。
- Start Log Trigger
- Stop Log Trigger
- Start Key Trigger
- Stop Key Trigger

上記の例では「Triggerd」を選択しています。
3. 開始キートリガーまたは停止キートリガーを有効にする
「Start Key trigger」または「Stop Key Trigger」のチェックボックスをONにします。これにより開始キートリガーまたは停止キートリガーが有効となります。

上記の例では、停止キートリガーを有効にするため、「Stop Key Trigger」のチェックボックスをONにしています。
4 キートリガー条件を設定する
メインキーとサブキーのプルダウンメニューで、キートリガーの条件とするキーを設定します。

上記の例では、Spaceキーを停止キートリガーの条件に設定しています。
キートリガー条件の設定の詳細については「Key Triggerの画面説明」を参照してください。
7. モニタリングを行う
モニタリングを開始すると、設定したトリガー条件のキー入力に合わせて、ロギングを開始または停止します。
Trigger Windowの画面説明

| 項目 | 説明 | 補足事項 |
|---|---|---|
| Trigger Mode | トリガーモードを選択します。ラジオボタンの選択肢は以下の通りです。 Free Run, Triggered, ReTriggered | 詳細については「トリガーモード」を参照してください。 |
| Start Log Trigger | 設定したログの検出をトリガーとしてロギングを開始する「開始ログトリガー」を設定します。 | 詳細に ついては「Log Triggerの画面説明」を参照してください。 |
| Stop Log Trigger | 設定したログの検出をトリガーとしてロギングを停止する「停止ログトリガー」を設定します。 | 詳細については「Log Triggerの画面説明」を参照してください。 |
| Start Key Trigger | 設定したキー入力の検出をトリガーとしてロギングを開始する「開始キートリガー」を設定します。 | 詳細については「Key Triggerの画面説明」を参照してください。 |
| Stop Key Trigger | 設定したキー入力の検出をトリガーとしてロギングを停止する「停止キートリガー」を設定します。 | 詳細については「Key Triggerの画面説明」を参照してください。 |
ボタン | クリックすると以下のダイアログが表示されます。![]() 「はい」ボタンをクリックすると全てのトリガー条件が削除され、トリガーモードが「Free Run」に変更されます。 |
Log Triggerの画面説明

| 項目 | 説明 | 補足事項 | |
|---|---|---|---|
| Start Log Trigger | Start Log Trigger | 開始ログトリガーの有効/無効を設定します。チェックボックスのON/OFF切り替えによるそれぞれの意味合いは以下の通りです。 【ON】 開始ログトリガーを有効にします。 【OFF】 開始ログトリガーを無効にします。 | Trigger Modeに「Free Run」を設定した場合は無効です。 |
| トリガー条件表示エリア (①枠部分) | 開始ログトリガー条件を表示します。 | このエリアをダブルクリックすると、 ボタンをクリックした時と同様に「Trigger Setting」ダイアログが表示され、開始ログトリガー条件を設定できます。 | |
ボタン | クリックすると「Trigger Setting」ダイアログが表示され、開始ログトリガー条件を設定できます。 | ||
ボタン | クリックすると、開始ログトリガー条件の表示を前のページににスクロールします。 | ||
ボタン | クリックすると、開始ログトリガー条件の表示を次のページににスクロールします。 | ||
| Stop Log Trigger | Stop Log Trigger | 停止ログトリガーの有効/無効を設定します。チェックボックスのON/OFF切り替えによるそれぞれの意味合いは以下の通りです。 【ON】 停止ログトリガーを有効にします。 【OFF】 停止ログトリガーを無効にします。 | Trigger Modeに「Free Run」を設定した場合は無効です。 |
| トリガー条件表示エリア (②枠部分) | 停止ログトリガー条件を表示します。 | このエリアをダブルクリックすると、 ボタンをクリックした時と同様に「Trigger Setting」ダイアログが表示され、停止ログトリガー条件を設定できます。 | |
ボタン | クリックすると「Trigger Setting」ダイアログが表示され、停止ログトリガー条件を設定できます。 | ||
ボタン | クリックすると、停止ログトリガー条件の表示を前のページにスクロールします。 | ||
ボタン | クリックすると、停止ログトリガー条件の表示を次のページにスクロールします。 | ||
Trigger Settingダイアログ
開始トリガーまたは停止トリガーの条件を設定します。

| 項目 | 説明 | 補足事項 | |
|---|---|---|---|
| Ch | Ch | ログトリガーの条件とするログのCh(MicroPeckerX本体ごとに割り振られる番号)を設定します。プルダウンメニューの選択肢は以下の通りです。 ALL, 1, 2, 3, 4 「ALL」を選択した場合は全てのCHが条件となります。 | |
| InnerCh | ログトリガーの条件とするログの内部Ch(1台のMicroPeckerX本体が有する内部Ch番号)を設定します。プルダウンメニューの選択肢は以下の通りです。 ALL, 1, 2 「ALL」を選択した場合は全ての内部Chが条件となります。 | ||
| Protocol | ログトリガーの条件とするログのプロトコルを設定します。ラジオボタンの選択肢は以下の通りです。 CAN/CAN-FD, LIN, CXPI, DIO, AD | CXPI、ADは選択できません。 | |
| Direction | ログトリガーの条件とするログの方向を設定します。ラジオボタンの選択肢は以下の通りです。 R, T, R or T | Rは受信のみ、Tは送信のみ、R or Tは送受信両方をそれぞれ意味します。 | |
| State | ログトリガーの条件とするログの状態を設定します。プルダウンメニューの選択肢は以下の通りです。 OK, NG | ||
| Type | ログトリガーの条件とするログの種類を設定します。プルダウンメニューの選択肢は、Stateの選択によってそれぞれ以下となります。 【OK】 Header, Response/Frm., Wakeup, Sleep, B-Sleep 【NG】 All Error, SyncBrk. Long, SyncBrk. Short, Parity Err., ShortMsg Err., Checksum Err., NoRes. Err., Bit Err., Framing Err., SyncField Err., H. Timeout, UART Err. | ||
| ID | ログトリガーの条件とするログのLIN IDを16進数で設定します。 | この項目は、Typeに以下のいずれかを選択した場合にのみ表示されます。 Header, Response/Frm. | |
| DL | ログトリガーの条件とするログのデータ長を設定します。プルダウンメニューの選択肢は以下の通りです。 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, * | この項目は、TypeにResponse/Frm.を選択した場合にのみ表示されます。 | |
ボタン | クリックすると「Data Setting」ダイアログが表示され、ログトリガーの条件とするログのバイト毎のデータを設定できます。 | この項目は、TypeにResponse/Frm.を選択した場合にのみ表示されます。 | |
| データ表示エリア (①枠部分) | 「Data Setting」ダイアログで設定した、ログトリガーの条件とするログのバイト毎のデータを表示します。 | このエリアをダブルクリックすると、 ボタンをクリックした時と同様に「Data Setting」ダイアログが表示され、ログトリガーの条件とするログのバイト毎のデータを設定できます。 | |
ボタン | クリックすると設定したログトリガー条件を保存して、ダイアログを閉じます。 | ||
ボタン | クリックすると設定したログトリガー条件を破棄して、ダイアログを閉じます。 | ||
Data Settingダイアログ
ログトリガーの条件とするログのデータを設定することができます。
データの表示形式はHex(16進数)とBinary(2進数)があり、タブで変更可能です。


| 項目 | 説明 | 補足事項 |
|---|---|---|
| ID | ログトリガーの条件とするログのLIN IDを16進数で設定します。 | このダイアログではIDを変更できません。 |
| DL | ログトリガーの条件とするログのデータ長を16進数で設定します。プルダウンメニューの選択肢は以下の通りです。 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, * | データ長を変更すると、それに応じてデータ設定エリア並びにEditorでのデータ設定可能範囲が変更されます。なお、アスタリスク(*)は「8」を選択した場合と同じです。 |
| 表示形式 切り替えタブ (①枠部分) | データの表示形式をタブで切り替えできます。「Hex」の場合は16進数、「Binary」の場合は2進数でそれぞれ表示されます。 | |
| データ設定エリア (②枠部分) | ログトリガーの条件とするログのバイト毎のデータを設定します。「Hex」タブでは16進数、「Binary」タブでは2進数でそれぞれデータ値を入力してください。 | データの値にアスタリスク(*)を使用することも可能です。その場合、アスタリスクで指定したビットは、検索対象の判定に使用しません。 |
| Editor領域 | 各バイトのデータをCSV形式で設定します。「Hex」タブでは16進数、「Binary」タブでは2進数でそれぞれデータ値を入力してください。 | データの値にアスタリスク(*)を使用することも可能です。その場合、アスタリスクで指定したビットは、検索対象の判定に使用しません。 |
ボタン | クリックするとファイルダイアログが表示され、 で保存したCSV形式のファイルを読み込んでEditorの表示内容に反映させることができます。 | |
ボタン | クリックするとファイルダイアログが表示され、Editorの表示内容をCSV形式で任意のファイルに保存できます。 | |
ボタン | クリックすると設定内容を保存して、ダイアログを閉じます。 | |
ボタン | クリックすると設定内容を破棄して、ダイアログを閉じます。 |
データ設定エリアとEditorは連動していますので、どちらか一方の値を変更すると、もう一方の値も自動で変更されます。
Key Triggerの画面説明

| 項目 | 説明 | 補足事項 | |
|---|---|---|---|
| Start Key Trigger | Start Key Trigger | 開始キートリガーの有効/無効を設定します。チェックボックスのON/OFF切り替えによるそれぞれの意味合いは以下の通りです。 【ON】 開始キートリガーを有効にします。 【OFF】 開始キート リガーを無効にします。 | Trigger Modeに「Free Run」を設定した場合は無効です。 |
| メインキー (①枠部分) | 開始キートリガーの条件とするキーを設定できます。プルダウンメニューの選択肢は以下の通りです。 None, A, B, ..., Z, 0, 1, ..., 9, F1, F2, ..., F12, SPACE | メインキーに「None」を設定した場合、開始キートリガーは無効となります。 | |
| サブキー (②枠部分) | メインキーと組み合わせて開始キートリガーの条件とするサブキーを設定できます。プルダウンメニューの選択肢は以下の通りです。 None, Alt, Ctrl, Shift サブキーを使用しない場合は「None」を設定してください。 | サブキーのみで開始キートリガー条件を設定することはできません。 | |
| Stop Key Trigger | Stop Key Trigger | 停止キートリガーの有効/無効を設定します。チェックボックスのON/OFF切り替えによるそれぞれの意味合いは以下の通りです。 【ON】 停止キートリガーを有効にします。 【OFF】 停止キートリガーを無効にします。 | Trigger Modeに「Free Run」を設定した場合は無効です。 |
| メインキー (③枠部分) | 停止キートリガーの条件とするキーを設定できます。プルダウンメニューの選択肢は以下の通りです。 None, A, B, ..., Z, 0, 1, ..., 9, F1, F2, ..., F12, SPACE | メインキーに「None」を設定した場合、停止キートリガーは無効となります。 | |
| サブキー (④枠部分) | メインキーと組み合わせて停止キートリガーの条件とするサブキーを設定できます。プルダウンメニューの選択肢は以下の通りです。 None, Alt, Ctrl, Shift サブキーを使用しない場合は「None」を設定してください。 | サブキーのみで停止キートリガー条件を設定することはできません。 | |
ロギング強制開始
開始トリガーを有効にした場合に以下のいずれかの操作を行うと、開始トリガーを検出する前に強制的にロギングを開始できます。
- メニューバーの「Command」-「Forced Logging Start」を選択。
- ツールバーの
ボタンをクリック。
ボタン
ボタン
ボタン
ボタン
ボタン
ボタン
ボタン
で保存したCSV形式のファイルを読み込んでEditorの表示内容に反映させることができます。
ボタン
ボタン