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送信毎にフレームデータを変更する(パターンファイル)

概要

パターンファイルイメージ

シミュレーションモードで、送信時のレスポンスデータを自動的に変更したい場合、パターンファイル機能を使用します。
同一IDでのレスポンスデータの変更やマスターシミュレーションで特定条件時にコマンドを変更したい場合に便利です。

  • リピート送信時
  • 時間経過
  • 特定の条件

これにより、ECUに対してセンサ入力の疑似信号や、特定シーケンス動作を再現するシミュレーションが可能です。

応用例

  • ECU に対して温度センサ信号を模擬する。
  • フレームデータを段階的に変化させてフェイルセーフ動作を確認する。
  • 実車で発生する周期変化を再現し、通信安定性を評価する。

設定手順

マスタースケジュールに適用の場合

  • マスタースケジュールの1フレーム毎にパターンファイルを設定可能です。
  • フレームIDは、パターンファイルのIDを優先に設定されます。

1. シミュレーションモードの選択
メインメニューより「Simulation Window」を開きます。「LIN Simulation Mode」は「Master Sim.」を選択します。

master_edit

Frame Listからパターンファイルを適用したいフレームを選択して編集ボタンをクリックすると、LIN Frame Settingダイアログが開きます。

2. パターンファイルの読み込み
Pattern SettingのSource Fileの...ボタンをクリックするとファイルダイアログが開きますので、読み込み対象のパターンファイルを選択します。

Pattern Load

Loadボタンをクリックするとパターンデータを読み込み、パターンデータリストに表示します。

Pattern List

3. Pattern Change Trigger設定
Pattern Change Triggerで、パターンデータの切り替えトリガーを設定します。 こちらの例では、Log Triggerを設定しています。

Pattern Change Trigger

4. パターン繰り返し設定
LIN Frame SettingダイアログのOKボタンをクリックすると、パターンファイル設定を完了してダイアログを閉じます。

Pattern Rep. Set

パターンファイルを設定したフレームにはPtnにチェックが付きます。Rep.にチェックを入れるとパターンファイルを繰り返し実行します。

スレーブシミュレーションのレスポンスフレームに適用の場合

  • ID毎にパターンファイルを設定可能です。
  • パターンファイルIDよりも設定IDが優先されます。

1. シミュレーションモードの選択
メインメニューより「Simulation Window」を開きます。「LIN Simulation Mode」は「Slave Sim.」を選択します。

slave_edit

Response ID Listからパターンファイルを適用したいフレームを選択して編集ボタンをクリックすると、LIN Response Settingダイアログが開きます。

2. パターンファイルの読み込み
Pattern SettingのSource Fileの...ボタンをクリックするとファイルダイアログが開きますので、読み込み対象のパターンファイルを選択します。

Slave Pattern Load

Loadボタンをクリックするとパターンデータを読み込み、パターンデータリストに表示します。

Slave Pattern List

3. Pattern Change Trigger設定
Pattern Change Triggerで、パターンデータの切り替えトリガーを設定します。 こちらの例では、Log Triggerを設定しています。

Slave Pattern Change Trigger

4. パターン繰り返し設定
LIN Response SettingダイアログのOKボタンをクリックすると、パターンファイル設定を完了してダイアログを閉じます。

Slave Pattern Rep. Set

パターンファイルを設定したフレームにはPtnにチェックが付きます。Rep.にチェックを入れるとパターンファイルを繰り返し実行します。

パターンファイル仕様

ファイル拡張子

パターンファイルの拡張子は、ptn, csvによってフォーマットが異なります。

ファイル拡張子内容
ptnカンマ区切りで簡単に記述できます。カンマの前後にスペースがあると読込エラーになりますのでご注意ください。
csvMicroPeckerX logファイル形式である必要があります。取得したログの送受信パターンを使用したい場合は、こちらが便利です。

ptn拡張子のパターンファイル

1行に1フレームのコマンド、ID、データを記載します。
1行目から順番に送信されます。パターンファイルは、最大 1万行の記述が可能です。

フレーム構成

1列目2列目3列目4列目5列目6列目7列目8列目9列目10列目
コマンドIDD1D2D3D4D5D6D7D8

コマンド種別

  • Tx
  • Rx
  • Wakeup
  • Sleep

パターンファイルサンプル (ptn)

同一IDで送信データを変更(対象:マスター/スレーブ)

レスポンスデータのD0,D1を変更して送信します。

Tx,10,E8,03
Tx,10,D0,07
Tx,10,D0,08
Tx,10,D0,10
Tx,10,B8,0B
Tx,10,B8,0C
Tx,10,B8,11

IDも含めて送信データを変更(対象:マスター)

マスタースケジュールの1フレームに対して、コマンドの変更を含めて、レスポンスデータ変更を行います。

Tx,10,00,11
Rx,10
Tx,10,44,55
Sleep
Tx,10,88,89
Wakeup
Tx,10,CC,DD

Pattern Setting画面説明

Pattern Setting
項目説明備考
Source FileSelectボタンで選択したパターンファイルのフルパスを表示します。フルパスを直接入力して設定することも可能です。
Selectボタンファイルダイアログを表示し、読み込み対象のパターンファイルを選択します。選択したファイルは、Loadボタンをクリックするまで読み込まれません。
ID Filter読み込んだパターンファイル内のパターンデータを抽出するかどうかを設定します。チェックON時は以下の条件以外のデータを無効とします。
・IDが「ID Filter」に設定した値と同じ
・種別がWakeupまたはSleep
Default Data「Device Setting」-「ID Definition」で設定したデータ長とパターンデータの長さが異なる場合に使用するデフォルトデータを16進数で設定します。
Missmatch DL「Device Setting」-「ID Definition」で設定したデータ長とパターンデータの長さが異なる場合の処理を設定します。
・Use Default:不足分にデフォルトデータを使用
・Ignore:無効としてリストに表示しない
Use Default設定例:
ID定義長:4バイト
パターン:08,4C(2バイト)
デフォルト:11,22,33,44,55,66,77,88
→結果:08,4C,33,44
Loadボタン「Source File」に表示されているパターンファイルを読み込み、「パターンデータリスト」に表示します。
Clearボタン「パターンデータリスト」をすべてクリアします。
Saveボタン「パターンデータリスト」を任意のファイル名で保存します。
パターンデータリスト(①枠部分)読み込んだパターンファイルに含まれるパターンデータを表示します。
Pattern Change Triggerパターン変更イベントの発生条件を設定します。
OKボタン設定を保存してダイアログを閉じます。
Cancelボタン設定を破棄してダイアログを閉じます。

こんなときは?

Q:送信するたびにパターンを切り替えたい

マスターシミュレーションの場合

Pattern Change Triggerを対象フレームの一つ前のスケジュールのフレーム受信をLogTiggerに設定することで、対象フレーム送信時はパターン切り替えが可能です。 または、Pattern Change TriggerのTimer設定を対象フレームの送信周期と同一にすることで 送信毎にパターンを切り替えることが可能です。

スレーブシミュレーションの場合

Pattern Change TriggerのLogTigger設定で対象IDのHeader受信にすることで送信毎にパターンを切り替えることが可能です。